それなりにいかがわしいので、念の為背後の確認をお願いします*_ _





































HAIR     ***20071006

とあるカフェに入った時に、近くで話していた女の子たちの会話が耳に入ってきたのですが
どうやらその子は行きつけの美容院の美容師さんに恋をしているらしく(笑)
散髪後、仕上げの際に「髪の毛が羨ましい…」と思ったんだそうな。

その会話を聴いて、「恋する乙女ってスゴイ…!!」と思って描いた絵です(笑)
やたら乱れているのは私の趣味以外の何物でもないのですが。


絵を描きつつ休憩中に、調子こいてものすごく短いSSも作ってみましたので、宜しければ合わせてどうぞ。
捏造万歳! キャラが違うぜ万歳! 絵とも合っていないぜ万歳! その辺りは突っ込んではいけないところですよ。
ご興味の有る方だけ、以下を反転なさって下さい。
…私、見知らぬ彼女に感謝しなければだなぁ(笑)




-------

左耳が何だかくすぐったい。

本来、左耳の前にあるべき下ろした髪の毛がサワサワと
不規則に耳を撫でるから。



一日の仕事が終わると、彼の部屋に来て
私のものより少し大きい彼のベッドに横たわることが
気付くと、当たり前の習慣のようになっている。

何をする訳でも無く、彼の匂いが染み付いたベッドに横たわっていると
彼の体温や、いつも彼が感じているであろうこのベッドの感触が共有出来たような
今より少しでも彼に近付けるような、そんな気分になってしまう。

だから私は、この時間が、空気が
とても好き。



残念なことに、彼が今何を考えているのかまでは知ることが出来ないけれど
今日の彼はこうしていつものようにベッドに横たわっている私の髪を撫でているみたい。
撫でると言うよりは、まるで弄んでいるような。

そして弄ばれると同時に
この耳にはくすぐられているような感覚が走る。

その感覚も確かに心地好いのだけれども。


今日の彼はまだ私に触れてくれてはいない。

今日の私はまだ彼の温もりをこの身体で感じてはいない。

耳に感じる触覚に神経を集中させてみても
物足りない感じがしてしまうのは何故なんだろう。



何だか、

髪の毛が羨しい。




自分の髪に嫉妬するなんて、こんな馬鹿げた話も無いと思う。
わかっている筈なのに。

なのにどうして、こんなに切なくなるんだろう。



こんなにも胸が詰まりそうなのに
私の気持ちを知ってか知らずか、彼はやはり髪を弄んだまま。

いや、たぶん彼はわかっている。
わかってて私には触れず、髪ばかりを触っているんだ。


泣きたい訳でも無いのに、だんだんと目頭が熱くなるのは何故?



「凱の…意地悪…」


聞こえないように呟いたつもりだったのに
一瞬、間を置いた次の瞬間に私の身体は大きな温かさに包み込まれていた。

-------





モドル。