ブラジャーはひっそりとシーツの上に舞い降りる。
何度も身体を重ねている筈なのに未だに慣れないのか
命は恥ずかしそうに目を伏せ、決して視線を合わせようとはしない。
しかし身体は正直なもので、命の豊かな膨らみの頂に有る小さな蕾は
しっかりと勃ち、その姿を凱に主張している。
その身体と表情のギャップが、凱には堪らなく愛しく思えた。
凱は命の身体を、こちらも露わになった自身の胸元へグッと抱き寄せ、
よく知った香りを放つ命の髪を指で梳くように撫でる。
「よしよし…。命は素直だな…」
幼子をあやすかのような凱の言動。
髪に指が通ると、命は声にならない声を小さく上げ
甘えるように凱に身を委ねる。
「あんっ…」
骨張った手が、熱を持つ乳房を優しく揉み始め
次第に速さを増すと命は耐え切れず切ない声を上げた。
「やっ…やん……凱っ…」
手で刺激を与えると同時に、他方の乳房も口で音を立てながら愛でてやる。
やがて桃色の蕾は硬さを増し、塗布された唾液によって妖しい輝きを放ち始める。
休む間も与えられずに施される愛撫に命は翻弄され
凱もまた命の甘ったるい喘ぎに意識が侵されていくのを感じた。
命の艶やかな太腿の不穏な微動を見た凱は
口で愛撫を続けながら手をその太腿に這わせ、中心部の方へ向かわせる。
短いスカートの中に手を潜らせると、目的地付近は下着が意味を成さないほどに水気を帯びていることが確認出来た。
「…すごい…」
思わず漏れた、溜め息にも似た凱の言葉に
命は必要以上に反応を示す。
「そ、そんなこと…言っちゃやだぁ…」
耳にまとわりつくように残る命の声音を敢えて無視しながら
凱の手は徐に下着の中に進出し、物欲しそうな命の入口を指で擦る。
くちゅ…
「あっ…だめっ……」
嫌でも耳に入る自身の嬌声と水音、執拗な凱の摩擦で
命の秘部は波のように寄せては返す快感に支配されつつあった。
背筋に感じ始めたうすら寒いものに怯え、凱の腕を力無き両腕で弱々しく押し返しつつも
それでもその「何か」を求めてしまう気持ちから自然と微かに腰を揺らす。
恥ずかしいくらいにアンバランスな心と身体。
そんな心中を察してか知らずか凱は命に意地の悪い言葉を投げ掛ける。
「命…腰、動いてる。欲しいのか?」
「やっ、違うの… んっ…」
否定の言葉は、絶え間無い水音の中に虚しく響く。
「無理しなくて良いんだぞ。」
口では優しく言いつつ
一方、指先を少し中に出し入れしながら入口での往来を激しくする凱。
それは、まるで悪魔の囁き。
そう遠くないであろう、大きな波を受け入れる覚悟が命に出来た時
凱は秘部を包み込む手の場所はそのままに、ぴたっと刺激を与えることを止めた。
「えっ…」
戸惑いを隠せない命。
「命、こっち見て…」
そして、凱の要求に命はますます困惑した。
「だ、駄目… 恥ずかしい…」
「良いから…顔、見せてくれ」
逆らうなんて出来る筈が無い。
観念した命は声の方向へと恐る恐る目を遣った。
引き込まれそうな程に澄んだ青い瞳の熱っぽい眼差しと
羞恥と快楽の涙に滲んだ紅い瞳の視線が交差すると
どちらからとなく顔を近付けてキスを交わす。
最初のキスを合図に――
壊れた機械のように互いの口内を愛し合う。
二人の息遣いが共に荒くなった頃
先とは一転、凱は秘部をそっと優しく一撫でし
纏っている下着をゆっくりと取り去った。
そして怒張した自身を宛がい、命への進入を図る。
「あぁっ…あっ… が…いっ…」
内壁を擦りながら溯っていくと、命は顔を歪ませ、涙を一筋流した。
凱はその涙の通った道を舌で追った後、命の身体を気遣うように白い肌にキスを落としていく。
「命…」
「凱…っ… もっと……奥…」
思いも寄らぬ催促に、凱は一気に最奥を目指す。
「あんっ…!」
完全に同化した二つの身体に
少しの振動を加えただけでも意識が何処かへ行ってしまいそうな程の快感が襲う。
命の中の強い締め付けに対しても、凱は自身の膨張を抑えることが出来なかった。
「みこ…と… 力…抜いて…」
途切れ途切れに、命に呼び掛ける凱。
「だめ… でき…ないっ…」
しかし命は返事をすることだけで精一杯。
「動くぞ、命…」
限界を感じ始めた凱は、命の頷きを確認した後
ゆっくり、大きく腰を動かし始めた。
凱の腰を同じ動きで追うように命の腰も波打つ。
凱は下半身からくる熱い疼きと高揚感から、うわ言のように命の名を呼んだ。
命もまた、凱が自分の名前を呼ぶ度に一歩、また一歩と絶頂への階段を登っていく。
そして凱の動きに応えるように必死で凱にしがみついた。
「凱っ…あっ…あたしっ、もう…」
「命っ…」
絶え間無く喘ぎを漏らす命の唇を、何度交わしたかわからないキスで再度覆い
凱は渾身の力で命を攻める。
「んんぅう…! ん…ふ…」
強く押し込められた命の喘ぎと同時に、凱もまた命の中で果てた。
「…凱…」
「…ん?」
中途半端に脱いだ、脱がされた服を今更ながらに全て脱ぎ切り
その代わりにシーツに包まれた二人は
先の余韻を感じつつ、お互いの体温を共有していた。
凱の腕の中でぬくぬくとしていた命は
はにかみながらも、少し満足げな笑顔で凱を見上げる。
「…一緒に……イケたね…」
「え…? あぁ… そうだけど…何でだ?」
「いつもは…凱がひどいことばっかして…
いつも私だけが先なの、少し寂しかったんだから」
確かに、そう言われてみれば凱にも心当たりが無くは無い。
しかしこう、改めて面と向かって言われると…
「それは人聞きが悪いなぁ…」
凱は苦笑いをしながら顔を掻いた。
珍しく自分が凱より優位に立てた気がした命は
だって本当のことだもんと楽しそうに凱の胸に顔を寄せる。
命の耳に、凱の心臓の鼓動が響いてきた。
規則正しく、力強く響く凱の鼓動。
当たり前にそこに有るようでも
実はそれはとても儚くて、掛け替えの無いものであることを
命は知っている。
命は静かに瞳を閉じた。
「昔は…凱がこんなにえっちだなんて知らなかったな…」
負けじと凱も反論する。
「俺だって、命がこんなに敏感だってこと、知らなかったぞ」
「それは…」
命は凱から自身の顔が見えなくなるように、凱に抱き付きながら
聞こえないくらいの小声で呟く。
「…こんな身体になっちゃったのは凱の所為なんだから…」
案の定、凱には聞き取ることが出来なかったが
凱はそんなことなどお構いなしといった様子で
抱き付いてきた命を抱き締め返した。
「ん…」
「命の身体が…こんなに柔らかくて、…こんなに良い匂いで、…こんなに温かいことを知れて…
本当に良かったよ…」
愛おしむように命の髪に顔を埋め
瞳を閉じ、穏やかな表情で凱は言う。
「私も…だよ… 凱…
知らなかった凱を…いっぱい知れて……嬉しい…」
胸の内から込み上げてくる
よくわからないけれどとても大きくて、とても暖かいものを感じつつ
命もまた、瞳を閉じる。
まるでこの時間が永遠に続いていくかのような錯覚に、二人は酔い痴れた。
やがて、抱き締めていた腕の片方が徐ろに命の前面へ回され
凱の手が命の胸の形を少し変える。
「あっ…凱… もう…駄目ったら…」
「良いだろ別に… まだ朝まで時間は有るんだから…」
「……凱…」
凱の方を見上げた瞬間、命の額には彼の唇が触れていた。
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***20070627
えっと、別館1000Hitと時期が重なりましたが、全く別の意図で作りました。
続き、書きましたよ!!!!(私信・笑)
ところがどっこい、凄まじく難産で、結局一月くらい掛かりました(笑)
今の私にゃ…これが限界だ!!(色んな意味で)
書き切るまでに「エロって何だろう…」とよくわからない思考に迷い込みもしました。 …わかんない… 何だろう、エロって。
とりあえず… 自分の中では全く合格ラインに到達していないので、要リベンジだな…(また書くのか)
何かいっぱいエロとか読んで、いっぱいエロとか書きたいぜ。ひどい目標だ。
台詞とか、私見入りまくりで申し訳無い限り…
「こんなん凱命じゃねぇや!」という苦情は… 出来れば生温かい目で見守って下さるだけだと嬉しいです(殴)
あと、最初から最後までちゅっちゅちゅっちゅやってるのは、何か、私の趣味なんだと思います。
モドル。
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